ドナルド・キーンさん、死去
米国出身の日本文学者・日本学者のドナルド・キーン氏が、心不全のため死去されました。享年96歳。
Donald Keene, a U.S.-born scholar of Japanese literature died of heart failure at a hospital in Tokyo. He was 96.
※scholarは、特に人文科学分野の学者を指す言葉です。academic=学者、学究的な人、Japanophile =親日家、Japan hand =日本通などの紹介もありました。-phile は~を「~を愛する loving 、愛する人 lover 」の意味の連結形。-phobia ) 「~嫌い、~恐怖症」の逆です。
2011年3月11日以降、多くの外国人が帰国をしましたが、キーン氏は日本人と共に生きようと考え、日本へ帰化= naturalization されました。
He decided to spend his remaining days in Japan after learning that many foreign residents had left the country in the aftermath of the disasters.
※in the aftermath of~ ~の余波の中
※帰化した日本人は naturalized Japanese citizen のように言います。nationalize にも「帰化させる」という意味がありますが、第一義は「国営化する」⇔ privatize 「民営化する」です。
キーン氏は「日本という女性と結婚した」と語っていました。
“I married a woman called Japan.”
日本人以外で初の文化勲章を受賞したのもキーン氏でした。
Keene was the first foreigner to receive the "Order of Culture" from the Japanese government in 2008 for persons who have contributed greatly to Japanese art, literature or culture.
日本と日本文学を愛するきっかけとなったのは、18歳の時に古本屋で出会った49セントの「源氏物語」。
He came across a two-volume translation of "The Tale of Genji," an 11th century classic, selling for 49 cents at a Times Square bookstore specializing in remainders.
※come across =~に出くわす、~をふと[偶然]見つける
※remainders =残り物、売れ残り本、残本、ぞっき本、遺跡
米海軍で日本語を学び、沖縄戦では米軍の通訳兵として、捕虜の尋問や日本兵へ投降を呼び掛ける役割を担いました。
He went on to learn Japanese at a U.S. Navy language school during World War II. He translated captured Japanese documents in Pearl Harbor and later interrogated prisoners in Okinawa, Japan.
※捕虜= captive
※interrogate =尋問する
1955年の選集をはじめ、数々の日本文学を世界に紹介した多作の研究者= prolific scholar で、三島由紀夫のような名だたる文豪= literary giant/master writer らとも親交がありました。
His landmark first anthology of Japanese literature was published in 1955.
※prolific =〔作家・芸術家などが〕多くの作品を残す、多作の〔人・動物が〕多産の〔植物が〕多くの実を結ぶ
※anthology =(文学、音楽、美術等の)選集、アンソロジー ギリシャ語語源で花を収集するantho(花)+logy(言葉)
50年以上教鞭を取られたコロンビア大学では、情熱的な先生だったと皆が口をそろえます。
He was by all accounts an enthusiastic teacher who lectured without notes.
※by all accounts =誰に[どこで]聞いても from all accounts もOK
喪主= chief mourner は、養子= adopted son で浄瑠璃三味線奏者の、キーン誠己さん。(父母などが)養子縁組したには adoptive を使います。つまりキーン氏は adoptive father =養父です。
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